絵本のある暮らしに憧れていたら、いつのまにかたくさんの書物に囲まれていました。


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おふろでの読書

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おぱらばん
堀江敏幸著

新潮文庫




おぱらばんを語れるほど、まだ読み込んでいない。
ただこの文庫は、もう長いこと私の長風呂専用と決められ
カバーも外してしまった。

わたしはおふろに本を持ち込むのが好きだ。
持ち込んではずっと読んでいる。
でも、それは滅多にはなく、夜中にひとりで入る時に限る。
夫にいつも不思議がられる。

特に堀江さんの本は格別で
行間というか、ぽろぽろと繋がる言葉が
見事に奏ではじめるというか
静かに歩いているような、なんともいえない彼岸と此岸の間にいるような
不思議な心地よさに揺られる。

ハンモックに揺られると、目眩が起こるような情けない年になったので
揺られたことはないが、きっとそれにも似ている。
落ち葉がパラパラとつまれた小径や
春の花が少し蕾みをつけ始めたような野原とか
ただ何もない、あるのは桜の木とベンチのみ
そして遠くには残雪を残す山々というような場所に
踏み入れ、ただ揺られているような気分になる。

先日、初めて本を読んでいるところを娘に見られた。
その日は、みんなが早々にはいってくれたので
夜の8時でわたしが悠々と一人で浸かれたのだった。
「いいな、わたしも本を持ち込みたい!」と言うので
普通の本の持込みは困る。ちゃんと風呂専用の本を作らないと
大きさも手頃なのは、文庫だと思う。
と伝えると、しばし考え、
「じゃ、お母さんの本を読んでもいい?」と言う。
どうやらおぱらばんを読もうと思ったみたいだ。
わからない事もおおいかもしれないけれど、なかなか博識の堀江さんの作品だもの
きっと、色々な物と出会うので、実際に会いたくなるだろうに。

パリがどうとか、もっとわかるといいのに、と思う。
わからないけれど、楽しい。
それに思考の道筋がたまらない。
堀江さんの文章を読むたびに、まだまだ読書が足りないと痛感する。

さて、そのそばにもう一冊文庫が置いてある。
みると、それはわたしが置いたのではない。
(実はもうひとつあるのだけど、それはわたしが置いた
 澁澤龍彦さんの『世界悪女物語』)

よく見ると、藤沢周平さんの「又蔵の火」
これがまたいい本なんだ。
でもわかるのかな、いや、12歳なりにわかるのかもしれない。
わたしも12歳の時に父の松本清張をちら読みした。
でもあまり記憶がないということは、その時は「ふーん」だったのだろう。

それにしても、おふろという文化がある国に生まれて嬉しい。
独身の頃、日中に何度もおふろに入った。
入るというか、浸かっていた。
子どもを産んで走り回るようになると、当然それらの至福はなくなり
夜遅くに本を読むことになる。
なんの本だったか、江國さんの主人公が何度もおふろに入る人で親近感を覚えた。


あなたはおふろで読書するひと?そうでないひと?
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by sorita-exlibris | 2013-03-07 04:29 | 暮らしの綴り文