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食べることのたのしみ

人生において、食べることは大変楽しみのひとつ。

無機質に毎日、そう、例えば缶詰で出されたら、うんざりしちゃう。
生きる希望がなくなってしまう。

ごはんとお味噌汁だけでもいいから、あったかいのを食べてもらいたい。
被災地の人たちへ心からそう願います。

先週の荻上チキさんのラジオで、トラックが入れるように道がなんとか
修復されたと知り、少しホッとしました。
現地でボランティアをする、これまた現地の子の話では
道が補修された途端、地元民なのか、そうでないのかわからない車両が増えて
困りはじめたと、つい先週の土曜に聞いたばかりです。

焦る気持ちはわかるけれども、少し待ってあげてほしいと心から願います。


さて、食べ物にまつわるエッセイを紹介します。

昨年も話題でした
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桃を煮るひと
くどうれいん
三島社

くどうさんの5年ぶりの食エッセイ集
日経新聞の夕刊にて連載されてたものに書きおろしを加えたものです。

梅雨の頃に出たので、紹介までずいぶん経ってしまいましたが、
何度読んでもじわじわきます。

例えば「あのファミチキ」
うちの娘さんにも、しょっちゅうではないですが、ファミチキに
ある種の焦がれる思いをお持ちの人がいます。
もしかしたら、それは今の環境が成せることであって、
くどうさんのように、環境が変われば、手にとらないのかもしれません。

食いしん坊のわたしとしては、「ここが八分目」は苦笑しながらも
とても楽しく読みました。
八分目って難しいんですよ。よく食べるものにとっては(笑)
気付いたら、はち切れんばかりの満腹なので…

友人を思いだすのは「桃を煮る人」
彼女が住む彼の地はフルーツ大国で(大人になってから岡山がフルーツ大国と知る)
桃が、あの高級桃が安く、やすーく手に入ることが少なくないそうで、
あまりにあるから煮て冷凍庫へいれてあるそう。
息子が青春18きっぷで泊りに行ったときも、帰りのお土産で
煮た桃をジップロックにいれて持たせてくれた。
桃だけに限らず、なにか甘いたぐいのものを煮ていると
「煮てる」と声をかけられる。
フルーツの煮てるあの甘酸っぱい匂いほど、幸せなものはない。

祖母を思い出すのは「たくあんじゃんけん」
北海道の旭川よりも、まだ北へいく祖母や母の育った土地では
必ず保存のための地下がある。
冷房なんて入ってないのに、夏でも寒い。
冬なんて、完全なお仕置き部屋どころか、凍え死んでしまうだろう。
台所に地下へ降りるドアがあり、ドアを開けると突如と
現れる階段を見るたびに、落ちたら死にそうだな、と
いつもその前を通る時は逃げるように足早になっていた。

そこには祖母がつけた漬物がたくさん保存されていた。
4人の子どもたちへ送るためだ。
祖母の作る夏のきゅうり漬けと、冬に美味しくなる粕漬はごちそうだった。

10年ぐらいになるのだろうか。もっとだろうか。
ある日から、わたしの母が漬物を漬けだした。
最初は、甘すぎるだの、漬かってないだのとぶぅぶぅ生意気なことを
わたしや父や、周りに言われていたのだけれど、
いつの日か、祖母とおなじ味を出すようになっていた。

いつの日か、わたしも母のように、漬物をつけるのだろう。
夏のきゅうり漬けはマスターした。
それは簡単だから。
でも、粕漬はハードル高いな… でも漬けるようになるのだろう。

わたしには、祖母から母へ受け継がれたものでマスターしたいものが
まだまだたくさんある。

まだまだたくさんあるから嬉しいと言っていられるうちが花なのだ。







# by sorita-exlibris | 2024-01-09 22:14 | おいしいそうな本 | Trackback | Comments(0)

またまたあっという間の新年でした。

今もなお、震災で困っている人たちに心からの祈りを…


あっという間に新年でした。
当然のことながら、一つ年を取り、自分がこれからどうしていくのか
かっこく良く言えば模索している毎日でした。

かっこ悪い話をすると、まああちこち身体が痛くていたくて
今も五十肩でひぃひぃ言っています。
そんな体になるとは思ってもいなかった自分と
もう若くはない自分とのもがき中です。

子どもたちも大きくなり、絵本のことを話すこともほとんどないですが、
わたしの仕事柄、たまに寄ってきては思い出して話してくれることも
綴りながら、文庫で出会う子どもや、違う場所で出会う子どもたちのことも
綴っていけたらなと思います。

昨年から、夜、寝る前に必ず読んできた本を紹介します。


またまたあっという間の新年でした。_d0220685_23480810.jpeg

きっかけはわたしの連れ合いです。
彼はなにかのきっかけで髙田郁さんの作品で出会い、あれよあれよという間に
仕事机の書棚には髙田さんの本でいっぱいになりました。

ある時、わたしが遊女学のゼミを受けていることもあり、
昔馴染みの友人と3人で江戸の話で盛り上がった時に、
Mさんが、江戸の良さを暮らしぶりや町のつくり方や仕組みなどを
詳しく話し始めてくれました。
Kさんが「どこでそんなにお詳しく?」と訊ねた時に
Mさんは少しいたずらっ子のような表情を見せつつ
「いえ、小説の受け売りなんだけれども」と話すので
思わず「もしかして髙田郁さん?」と訊ねたことで判明した。

その後、時代小説など読まないKさんも、髙田郁さんの作品と
ひょんなことで再開し、読み進めてみたところ、
美しい日本語に驚いたと後から聞いた。

法学部を卒業し、司法試験にチャレンジしながら、漫画の原作などを
書くのがきっかけだったそうだけど、
司法試験に合格なさっていたら、この小説は読めなかったと思うと、
申し訳ないが、今の運命でよかったと他人事なのに安堵してしまう。
それぐらい、魅了させる小説だと思います。



みをつくし料理帖
八朔の雪
花散らしの雨
想い雲
髙田郁
角川春樹事務所


神田御台所町にある上方料理を出す「つる屋」の料理人澪は
少女の頃に水害で両親を亡くしている。
孤独で腹を空かせていた澪を救った奉公先のご寮さんの芳。
澪を料理人として雇っているつる屋の主人 種市。

江戸には馴染みがない上方の味はなかなか受け入れてもらえない。
かといって上方の味は澪にとっては生きて生きた証と言っても過言ではないもの。
しかし売れなければ意味がない。
健気な葛藤に最初は子どもを見るように、読みながらこぶしをつい固くしてしまう。
水害がきっかけで会えなくなった親友の野江をどうしてるかと思い出す澪。
野江との数奇な運命は江戸にきても切れるものではなかったことが後にわかる。

毎度出て来る澪の作る料理に言葉の上で舌鼓し、まるで香ってくるかのような
錯覚を起こす。憎いことに巻末には必ずレシピがついている。

人情話あり、いさかいあり、恋心あり、つる屋の澪の周りで起こる
毎日に、まるでそこに住んでいるかのように、一町人のつもりで
毎晩ページを開いていることに気づく。
またそれに、吉原のことも出て来るのだから、やめられない。

危うく、いつ時まで読んでしまったのか?と
後悔することも…

友人からは「ひと通り読破するまでは、やめられないと思う」
というお墨付きまでいただいた。(笑)

いつか彼女と神田明神、不忍池、九段坂と歩いてみたいものだ。

さて、4冊目の「今朝の春」恋心をきゅんきゅんさせつつ、
これもまた目が離せない展開に、昼も手放せなくなってきた。






# by sorita-exlibris | 2024-01-05 23:49 | 気持ちが真っすぐになる絵本 | Trackback | Comments(0)

子育て支援拠点で絵本相談室


出張ま〜まさんの絵本相談日

今日は奇数月で多胎っ子の日。

マーガレットま~まの応援拠点を出張している日なんですね。
スケジュールはこちらでどうそ。



双子のお母さんは3組いらしてました。他にも数組の親子さん。
秋の声が聞こえてきて、トンボがよく飛ぶようになりましたね。お盆の頃は、木曽福島でも川原にいっぱいトンボが飛んでましたよ。ということで、折り紙で作ったトンボを持参して、


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わらべうた♪とんぼ
みなさん~、わらべうたっていいですよ。
ぴたっと子どもの声がとまるの、こっちに向く。
こどもたちの通った保育園は、呼びかけはみんなわらべうたのように
うたいながら話しかけてました。


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絵本では一歳三カ月の男の子が集中が…というご相談でしたが、全く心配なし!まだまだ一歳三カ月です。気長に行きましょう。それに乗り物が好きなようで、周りにある乗り物の絵本に気を取られながらも最後まで聞いてくれてました。たくさん本があると目移りするよねぇ。わたしたちが好みの店で目移りするのとおんーなじですw


前回の多胎っ子で出会った双子のお母さん。
すぐに文庫にも来てくれました。(珍しっくとても混んでてごめんなさいの日でした(;^_^A


初めていらしてたお母さんに文庫の紹介もですが、おすすめしたら買ってくださった
0.1.2.えほんを絶賛してくださり嬉しかったです。

今日読んだ0.1.2.えほん コチラも喜んでくれてました。




ぽぽんぴ ぽんぽん
松竹 いね子 文
ささめやゆき 絵
福音館書店




のりたいな
みやまつともみ さく
福音館書店



ごぶごぶ ごぼごぼ
駒形 克己 さく
福音館書店



この『ごぶごぶごぼごぼ』は鉄板ですね!
間違いなしです。

今日も双子ちゃんのひとりに読んでいたら、眠たいのかはじめ
泣きそうでしたが、じっと聞いていて、さいごのしーでは、わたしの顔をじーとしてました。
そのあと唇でぱっぱっと音を出してあげていたら、にこにこして
しばらくするとすーと眠りに。


双子ちゃんの生活、赤ちゃんが二人いきなりきたら”大変じゃない”わけがない。

わたしは年子で慣らされた後、とはいえ、やはり双子はすごかった(笑)

なんというかパワーが違う。動きも二倍じゃなくて二乗なんだとわかりましたw

なにが大変かなんて、大変じゃないことはないので、なにが楽しかったかを聞いてほしいな。

もう大学生ですよ、と話すとみなさん驚きます。
わたしもそうでした。こんな小さな双子の明日のことでいっぱいで、
将来大学生になるとか、ランドセルさえ想像できなかった。
それぐらい忙しい(笑)

双子との思い出話も書いていこうかな。以前のブログからちょいちょいつまんでいきます。

みんな、眠い時には寝ようね。





# by sorita-exlibris | 2023-09-04 23:08 | kodomiruの部屋 | Trackback | Comments(0)

子どもはいつでもたのしく遊ぶ

子どもはいつでもたのしく遊ぶ_d0220685_11032452.jpg
ピクルスとともだち
小風さち 文
夏目さち 絵
福音館書店


 発売されたのが今年の5月。
春の大風の話から、虫取り、スイカ、打ち上げ花火…
とくれば、しまった、やっぱり文庫に入れるべきだった。
と思うわけで、でも、今から読んでも楽しいからねと言い訳をしておきます(笑)


注文をしたので、今週は無理でも来週の文庫には間に合うことでしょう。
お楽しみに。

子どもって、なんで?どうして?の疑問を持ったら、そりゃうるさい、うるさい。
そういう意味では家や近所におじいちゃんやおばあちゃんやおじさんやおばさんという目上の存在があると、そこでうまく収拾してくれるわけですw
子どもたちもなぜか、目上の人にはそこまで食いつかないし、
とにかく年の功で説明も、ごまかしもうまいよな、そんなことも考えてました。

ピクルスもせっかくの春休みなのに、雨がおおくてやんなっているところ、
”春の大風”が吹くとどんな雨雲も吹きとばすんだよとお父さんから聞いたもんだから、
それがなにか気になります。
見てみたい!と思いますよね。
わたしも小さな時、雷が鳴ると絶対外に出ちゃだめと言われましたが、
ある日、仕事で親がいない時、少し遠くまで雷が見たくて歩きました。
鈍色の空のなかに、暗雲と音と光。その光は当時ではその町では高い建物の向こうで、
光る赤いような黄色いような白いような、するどい閃光を見て、
雷様が怒ってる!と怖くなり家に走って帰ったことを覚えています。

ピクルスの今度のお話は、そんな春の大風ってなに?の疑問から始まり、
それがなにか聞いて歩いているうちに、近所に引っ越してきていた友達に会います。
あたらしいともだちってワクワクします。
はじめての約束って、いつでもドキドキしませんか?

虫取りに、打ち上げ花火 ちょいといじわるなお友達もいたり、
でも本当にいじわるなのかな? 伝えるのが下手ってあるよね。

ピクルスの世界を通して、色々なこと経験できます。

読みたいな!と思った人は、すぐ本屋さんへ、または図書館へ。
でもきっと、図書館で借りても、すぐに本棚にしまいたいと思えるほど
ピクルスはこどもたちの素敵なともだちになってくれるはずです。


゚+。*゚+。。+゚*。+゚ ゚+。*゚+。。+゚*。+゚ ゚+。*゚+


紹介した本を読んでくれたり、感想を送ってくださる人に感謝。
少しでも本の好きな輪がひろがるといいなと思います。








# by sorita-exlibris | 2023-09-03 12:20 | 幼年童話 | Trackback | Comments(0)

あっという間に新年だった

あっという間に新年だった_d0220685_20221489.jpeg

前回ここのブログを書いてから、半年以上空いてしまっていた。
共通点と言えば、今日もまた、息子や娘が帰寮した翌日ってことだけ。

あれからの変化といえば、息子が新しく行く大学が合格したことと
(息子はこの春大学を卒業する人)
娘たちが年末前からバイトに行って、初めて我が家で家族揃っての
新年を迎えなかったこと。

ぐらいだろうか。

気づいたら、ちびっこがわやわやいて、かるがも一家のような状態だったのが
みんな大人サイズになり、数え年で24歳、23歳、20歳、15歳という
あらびっくり半分はいい大人だわ、という年齢になっていた。

たぶんここでは就職がふたりはしているだろうという計算だったけど、
学びたいという気持ちがあるのはとても尊いことだと思うので、
できる限りは応援したいと思う。

子どもってすごいな、可能性がたくさんある。
親として、諦めない子に育ってなくてよかったとほんとうに思う。

さて、一昨年も本をプレゼントしたように思うけど、
今年は子どもたち全員にお年玉プラスで本を贈った。

写真の
『Winnie the Pooh』
A.A.Milne
E.H.Shepard

『星の王子様』
サン・テグジュペリ 
河野万里子 訳
新潮文庫

は、それぞれ、プーさんは食いしん坊で常に腹すかしの双子の姉(次女)に。
星の王子様は、フランス語を専攻している双子の妹(三女)に。

三女にプレゼントする時に、「フランス語専攻してるからね…」と言葉をつづけようとしたら

「え?わたし”起き上がりました”しかフランス語言えないよ?」

と、二本の腕を胸の前でグーにして、海老反りしながら起き上がる真似をしながら
わざわざ上のセリフを言うもんだから、朝から爆笑してしまった。(笑)

日本語だと知ってホッとしてたけど、英語がぐんぐん伸びてる次女には
原書でのプーさん。

長男には梨木果歩さんの『鳥と雲と薬草袋/風と双眼鏡、膝掛け毛布』新潮社版




長女には茨木のり子さんの詩集

茨木のり子詩集 (岩波文庫)
茨木のり子詩集
谷川俊太郎選
岩波文庫


末娘の四女には


キャサリン・ブルートン 作
尾崎愛子 歌
平澤朋子 絵
偕成社


息子は山登りにたまに出かけるのだけど
ちょうど赤城山に登ってる時に、私も読んでいて、これをあげようと
その時から決めていた本。
わたしなんて、赤城山というと、国定忠治しか思い浮かばないんだけどね。(笑)

長女にはぜひ茨木のり子さんの詩に出会ってほしいと思って。
ハングルの茨城さんが訳された詩集にしようか迷ったんだな。
韓国語も載っていたら、間違いなくそれを選んでいた。

末娘は、色々なことが気になる年頃なので、と選んだみた本。

彼女は、この冬休み



目で見ることばで話をさせて
アン・クレア・レゾット作
横山和江 訳
岩波書店

を寮に持ち帰った。

感想を話してくれるのが楽しみ。




# by sorita-exlibris | 2023-01-10 21:14 | 暮らしの綴り文 | Trackback | Comments(0)

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