にぐるまをひいて

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にぐるまひいて
ドナルド・ホール ぶん
バーバラ・クーニー え
もき かずこ やく
ほるぷ出版



来月、小学校の読み聞かせでこの本を読む。
3年目にして念願が叶うという日。


クーニーの絵は優しい。
見るものを魅了させる。
けして派手ではないのだけれど
だからこそ余計に日常に必要な絵のように思う。


お話はニューイングランド地方の農家の1年を詩ったもの。
年中さんや年長さんの時もじっと聞いていた双子たち。
2年生にもなると、細かい場所まで捉えていることがわかる。


10月父さんはポーツマスの市場まで売りにいく。
1年かけて羊の毛から完成させたショールに、亜麻から育てたリンネル。
しらかばのほうき。父さんがつくったやねいたのたばに野菜たち。

それらが全部うれると、じゃがいもがはいっていた袋や
荷馬車、うし、うしのくびき。全てを売る。

残ったのはポケットいっぱいのお金。

それで家族に必要なものを買う。

長い道のりを歩いて帰り、そしてまた来年のための
一年がはじまる。


すべてを売って何もなくなる頃に
双子のこっちゃんは少し不安顔になる。
けれど、ぼうに新しい鍋をくくりつけ
そのなかに買ったものをいれて、歩いて、あるいて
家路に着くと、嬉しそうに、にっこりする。
まるで、自分の父さんがやっと帰ってきたように。

私が毎月買うお米の生産者の話によると
生産者のだれもがまずお客様という考えで
新米がとれても古米を食べるのだそうだ。
それはもしものことがあって、お米がなくなったことを
想定して、1年分をとっておくのだという。
わたしたちが新米を食べる頃、ようやく彼らは
一年前に新米だったお米を口にするわけだ。


北海道の祖父母の家に遊びに行くと
きちんと来年のための準備があちこちにされている。
種まき用に乾燥されている豆。

種芋になるじゃがいも。
タマネギだって、種を穫るために残しておくのだ。

祖父母はお茶好きで、とにかくお茶を飲む。
お客様も多いし、たくさん消費する。
そのお茶葉一日分を祖母は毎日干しておく。
たくさんたまったらお茶がらの枕を作る。
我が家にもいつかひとつ送ってくれたと思う。

いたんだ着物で掛け布団を作ったり、どてらに変化したりする。
もうすぐ90なのに、手縫いで着物を1年に2枚は縫ってくれる。
「ゆるくない」と言いながら。

田んぼを始めた我が家は、もうすぐ刈入れだ。
畑は次を蒔くために、いま土壌を作っている。
種芋も準備万端だ。

母は、冬にはいるまえに必ず全員に靴下を編んでくれる。
毛糸は、ほどいたセーターだったりする。
傷んでいない毛糸の洋服は、いつかのために
きちんととってある。
傷んでいる毛糸は、ほどいて帽子になったり、また糸を足して
別のものに生まれかわる。


生ゴミは肥料になり、お茶葉は乾燥させ
卵の殻は、水筒を洗うのに役立っている。

着古した洋服はぞうきんになったり、縫い合わせて
新しいお洋服になったりする。

豊田に近い山奥に、有名な地鶏を食べさせる場所がある。
そこにはヤギも羊もいる。

囲炉裏のある場所の隣りの部屋には
織り機が佇んでいた。

お店の人に聞いてみると、羊の毛は売るためではなく
自分たちで刈り取り、糸に紡いで織り機で服を作るという。

平飼いで卵を収穫し、畑を耕し、必要な分だけ鶏肉を絞める。
そして有り難くいただくのだ。


この絵本には、感謝しろとは一言も出ないけれど
土地に、天候に、すべてに感謝して敬虔に質素に生活する家族の姿がある。

小さな頃から、いつでも読んであげたい本。


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Commented by books-05 at 2011-09-18 12:07
こにちは。
私もつい先日、『にぐるまひいて』を紹介しました。
滋味深いものを食べると体の隅々にまで栄養がゆきわたるように感じますが、クーニーの絵本はそれと同じような感覚になります。
生きるのに必要な栄養を摂っているような。
そして、私、38歳にしてやっと『ルピナスさん』を感じることができるようになりました。子育て奮闘中にはピンとこなかったのですが、ここにきてやっと(笑)
心がふるえ、しばしギュッと抱きしめる。子どもたちがいないtき、眠っているときに、一人でこっそりとね^ ^

アン
by sorita-exlibris | 2011-09-17 23:21 | バーバラ・クーニー | Trackback | Comments(1)

絵本のある暮らしに憧れていたら、いつのまにかたくさんの書物に囲まれていました。htttp://www.kodomiru.com


by sorita
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