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素敵な絵本を二冊紹介

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『おひめさまになったワニ』
ローラ・エイミー・シュリッツ さく
ブライアン・フロッカ え
中野怜奈 やく
福音館書店

『ライオンとタカとアリになった男の子』
ノルウェーのむかしばなし
菱木晃子 文
MARUU 絵
BL出版


どちらも絵本仲間のおひとりが教えてくれた本。

退屈している子に読んであげたら喜ぶでしょうねぇ。
わたしも読んでいて楽しくなりました。

『おひめさまになったワニ』

普段の生活に嫌気をさしているおひめさまが名付け親の妖精に助けを求めたら、
やってきたのは、ワニでした。(笑)

お話の中で、主人公が逃げ出すために入れ替わる、というのはあるけれど、
タイトル通り、ワニがおひめさまになるのです。

ところがね、読めばわかりますが、お世話係もお妃様も王様も最初ワニだと気づかない!!
おい気づけよ!とツッコミはもちろんしましたが、
おひめさまはとても楽しそうな時間を過ごしているもんだから、
まあ許そうかなんて気に、なるのです。

子どもは我慢ばかりするもんじゃない!
ということもわかるし、でもやりすぎはよくないよね、という当たり前のことも。

親は親で、決めつけているかもしれない事に気づくかもしれません。

この本はぜひ中表紙も見てね、ちょっと素敵な中表紙がお目見えします。


『ライオンとタカとアリになった男の子の』

こちらはノルウェーの昔話
さすが菱木晃子さんの文体。
読みやすくて、リズムが良いです。

あとMARUUさんの絵がどの頁も美しい。
昨年新刊紹介で見た時に、手に取ったのに、どうしてわたしは連れ帰らなかったのだろう。

うぅむ、考えても思い出せない。

お財布が寂しかったのかもしれません。そうだ。きっとそうに違いない。

時分の体が違うものに変身できたら、そんなことを考えるだけで
ワクワクしませんか?

今みたいなコロナ騒動で、おちおち出かけるのも気をつかうような状況だと、
鳥になれたら羽ばたいて好きなところに行けるのに、と思ったりします。

それがタカなら、悠然と飛び立てるのに。

ライオンだと、このあたりじゃつかまっちゃうかなとか、
でもアリになって逃げればいいか。

このお話は、変身という魔法だけでなく、竜退治があり、トロルもでてきて、
お姫様救出もあります。

変身という力を手に入れるきっかけも、え?そんなことでいいの?
と思えるようなことでした。
でも男の子のすごいところは、タカにもライオンにもアリにも変身できる力を
悪用しない、そんなつもりもないところです。

さて変身する力をもらったきっかけは、たいしたことがきっかけではないと書きましたが、
昔話を読んでいると些末なことのように見えて、
その当事者には重大なことについて、助けてあげたりすると
お礼がもらえます。(たまにしらゆきとべにばらのように文句だけ言う小人もいます)

先日、NHKの『飛ぶ教室』にてゲストのヤマザキマリさんが
コロナで大変な状況のイタリアに住んでいる家族、その夫との電話での様子を話していました。

そこでは、だんだん哲学者のようになっていて、普段悩んでいることは些末なことだ、と気づいたというようなことを旦那さんが言ったという内容でした。

些末なことって、例えばなんのことだろうと思ったけれど、
昔話に出てくるお話のきっかけとなることは
生きる上でとても大切なこと、もっとシンプルで必要なこと、と教えてくれてるのではと気づきました。

といっても、子どもにそんなことは必要ありません。

子どもにはもっとシンプルに、心に響いてると思います。
どうぞ、そんな素敵な物語を子どもたちには届けてください。





#絵本 #昔話 #ノルウェー


by sorita-exlibris | 2020-03-23 23:36 | 美しい絵本・本 | Trackback | Comments(0)

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