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ルピナスさん

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ルピナスさん
バーバラ・クーニー さく
かけがわやすこ やく
ほるぷ出版

今日ジブリの映画『魔女の宅急便』がノーカット版で放映されていましたね。
主人公のキキは海が見える部屋に住んでいました。
海が見える…いろんな人を思い浮かびましたが、おなじように海のそばに住ん
でいた『ルピナスさん』を紹介します。

この本に出合ったのはもうずいぶん前ですが、
絵のあまりの美しさと、掛川さんによる言葉の美しさに惹き込まれました。
いまでは大切な本になっています。


ルピナスさんの本を読んでいて、当時6歳ぐらいだった娘が
「世の中を美しくすることって、どんなことがあるかな」
そうつぶやきました。

なぜ、この言葉が出たかというと、主人公のルピナスさんがまだ小さかった時に、
おじいさんと世の中を美しくすることを約束するからです。


ルピナスさんは最初からルピナスさんと呼ばれていたわけではありません。
幼く、まだアリスと呼ばれていた頃、おじいさんは船のへさきにつける船
主像を彫ったり、絵を描くお仕事をしていました。
アリスも忙しい時はお手伝いをしていました。

おじいさんは船に乗って遠くの国からアメリカにやってきたので、
夜になると、アリスに遠い国々の話を聞かせていました。

我が家の息子や娘に、いろんな国の絵本を読んでいたことが影響しているか
はわかりませんが、二人とも、とても海外に興味がある子に育ちました。

アリスも同じです。
大きくなったら遠い国に行くことと、おばあさんになったら海のそばの町に住むと、
おじいさんに約束をするのですが、おじいさんは、
もうひとつしなくてはいけないことがあるといいます。

「世の中を、もっとうつくしくするために、なにかしてもらいたいのだよ」

ちいさな時にした約束というものは、いつまでも覚えているものです。
口には出さなくても、子どもにとって、子どもでなくなり、大人になっても
覚えていて、ふと思い出す約束というのを、誰でも持っているのではないでしょうか。

アリスは図書館で働き、遠い国々へ旅をし、海のそばに住み、
そしておじいさんとの約束を果たしました。

果たすだけでなく、次の世代に継続していく、夢が繋がっていくことが
この絵本の素晴らしいところです。
なぜなら、この絵本は、ルピナスさんと晩年呼ばれる大おばさんの一生を
姪が語ったものなんです。つまり姪がちゃんと受け継いでいるんですよ。
おじいさんと幼いころに約束したアリスの思いを…。

そして姪のアリスが、絵本の結びで、こう言っています。


「なにをすればいいか、
 いまはまだわかりませんが、きっといつか、
 わかる日がくるでしょう。」





なぜ、今日の一冊にしたかというと、
今だからこそ、やさしさや、見るべき世界は自分の足元ではなく、
もっと大きく、広く見るべきだと思ったからです。

未知なるウィルスという、生きてきた中で、身近でこういう経験をするのは初めてです。
天然痘や黄熱、チフスにペスト…。
わたしにとっては、昔のことで現実味がありません。
ただ小説の中での出来事としか実感がありません。

この絵本は、とてもやさしさに満ち溢れています。
やさしさって、とても抽象的ですが、町は無理でも、
もう少し身近で、思いやりを考えてみませんか。

スーパーが空になっている友人のSNSを見ると心が痛みます。
重い荷物が持てなくて、毎回少量の買い物しかできない人はどうしたらいいのでしょうか。
我が家なぞ、通常で7人家族なので、買いだめに見えるような買い物を普段からしなくては
いけませんが、買い物にはそんなに行きません。
必要な分を宅配で購入し、足りないものだけを近所で足しています。

世の中をもっと美しくするためにできること。

美しくするのは、目に見えるものだけではなのだから。






by sorita-exlibris | 2020-03-27 23:45 | バーバラ・クーニー | Trackback | Comments(0)

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