巳の絵本
2025年 01月 09日

赤羽末吉 さく・え
福音館書店
復刊された時に、すぐに買った絵本。
東京で文庫をしている友人がこよなく愛しているごん。彼女のごんへの愛は半端なく、すぐにわたしも魅了された。
その時はちひろ美術館コレクションのAB変型判のものしか手に入らなかったのだけど、復刊された時はうれしかったなぁ。
この絵本は、うちの文庫でも地味~になが~く愛されている。「鳥獣戯画」のような現代の絵巻を!と赤羽末吉氏が作った絵本。
わたしは赤羽さんに会ったことがないのだけれど、この絵本はとても楽しそうに作ってたのではないかと思えて仕方がない。
うちの常連さん親子さんの年長さんになる息子くんもごんの大ファンになっていたけれど、お母さんが「この絵本は今年のベストに入ります!」と喜んでくれたことがこの上なく嬉しかったです。
ごんを読んだことがある人とは、おへそに手を置いてぱくぱくぱく・・・とやるだけで通じる。そしてなんでボタンなんだろうね!!と笑い始める。
6歳の息子くんとも盛り上がってしまった。
そこで、いつも本をたくさん持って読みに行く小学校にも持っていった。
小1男子君が、これ、おもしろいの?と奇妙な横長のぶあつめの普段見ない絵本をわたしのところに持ってくるので、これはね!とかるく説明すると、ちょっと読んでと言ってくるので、しめしめと思って読み始めたら・・・・。
気づくとわらわらと子どもが集まってきて、ボタンのあるカエルと手のあるへびとおとうを探しているけんに夢中になって聞いている。
①のぽんこつやまのぽんたとこんたの巻を読み終えると、手には②があり、おにのさんぞくやっつけろの巻を読み終えると、③こすけとのさまの巻が控えている。

この3冊セットを買った時にはうちの子どもはもう大きくて、3冊を続けて読んであげたことはないのだけど、この時の小1の男子女子の聞きっぷりはよかった。
絵も楽しく、文章も多くないから一人でも読んでくれるかなと持っていったけど、断然これは読んでもらった方が楽しいに決まっている。
なにより読んであげているわたしが楽しかった。
右へ右へと捲るたびに進んでいくお話に、ページを繰った瞬間のあの子どもたちの期待感はすごい。
路上で紙芝居を読んであげたことはないけれど、紙芝居のおっちゃんが感じる楽しさを経験したような。
ちょっと抜けてるヒーローと悪者たち。言葉のチョイスもおもしろいのだけど、発想がたまらない。戦の好きな殿様をこらしめるときに、へそをとるんだけど、そのへそをとるのがせんぬきとかね。
けんのために、けんのおとうを探す旅で、それだけじゃない色々な面倒が起こるのだけど、旅は道連れ世は情け。なんというか助け合いがなんともあったかい気持ちにさせる。あまりにおとうが出て来ないから、ね、お父さんどこ?と聞く子もいましたよ。
本当だったらヘビとカエルは仲が悪いのだけど、変なくもを出すかえると、手のあるけったいなへびのこの組み合わせ自体が滑稽なこの絵本。疲れた時や、ちょっとつまんない時ほどわたしはごんに会いたくなる。
なんだったら、ぱくぱく もわもわと煙に巻いてしたいなと思う時もあり。大人も魅了させるこの結構重たい絵本を今月も必ず持ってきてと子どもたちが目を輝かせて頼んできたので、わたしは今からその日を楽しみにしている。
こうして、今年もごんのファンを増やしていこうではないか。ぱくぱく・・・を合言葉に






